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口裂け女 1

オバケ度…
100% 
特定状況で「出る」  ○ 相手無差別に「出る」  ○ 
会話は不可  ○ 独自の論理   ○
異形の姿   ○

口裂け女の起源

下校中の小学生が街角を曲がる。いきなり、大きなマスクをした大人の女性が目の前に登場する。服装、髪型共にフツーの人である。女性はマスクを取る。そして、耳まで裂けた大きな口をカッと開き、すこし媚びを含んだ目つきで尋ねる。

「あたし、きれい?」

これが私のイメージする口裂け女の姿だ。

口裂け女は、必ず「あたし、きれい?」と尋ねると決まっている。相手は小学生だというのに耳まで裂けた口を見せて、一体何と答えてほしいのだろう。「きれいだ」と言ってほしいのか、「そんなことはどうでもいい」と言ってほしいのか、それとも「オバケ〜!」と叫んで逃げてほしいのか。


彼女が友人だったら、小学生を脅かすのはやめて美容院へでも行き、髪型と気分を変えていらっしゃい、と言いたいところだ。いい年して子供を襲ってるなんて、情けないではないか。

1970年代の終わりあたりに登場し、一気に口伝えで全国区へ拡大したと思われる現代のオバケである。最盛期には口裂け女が怖くて一人で行動できなくなった子がたくさんいたと聞いた。

オバケ度は100%。完璧に伝統的なオバケの条件をそろえていることに驚かされる。いくら時代が変わっても、怖さというものの構造は変わっていないのだということが分かる。

ところで、この1970年代終わりという時期は、日本で春先の花粉症が目立つようになった時期と同じである。花粉症→マスクで防御→顔を隠した大人が花粉症特有のうつろな様子で歩いている→怖い→オバケ誕生。

私は口裂け女と花粉症にはこういう関連があるとにらんでいる。

©2006 Mieko Mochizuki Swartz. All rights reserved.